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個人情報保護法から考える正しいリファレンスチェックの取り方

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昨今、中途採用や新卒採用において個人情報の取り扱い方法について、法律的な観点や倫理的な観点から個人情報保護法の在り方について見直しがかかっております。個人情報保護法では、個人の名前ごとのデータを「個人情報」とし、該当情報を外部に提供する場合には、本人の同意取得を義務付けられております。日本の労働人口が減少していくことは確実で、並行して企業様は少ないプールから自社の成長にとって欲しい人材を確実に採用することに力を割いております。このような状況下で注目されているのが「リファレンスチェック」という新しい採用手法です。ただ、このリファレンスチェックという手法も少し実施方法を間違えると違法性のある採用手法となってしまいます。本記事では、「違法なリファレンスチェック」を理解することで、正しいリファレンスチェックの実施を手助けする内容を紹介します。

リファレンスチェックとは

「リファレンスチェック」とは、「身元照会」「経歴照会」「推薦」の意味で使われ、企業が中途採用の際に信用調査の一環として、前職への在籍期間や実績、人物像などを第三者に照会を行うことを意味します。応募書類の内容と事実に違いがないか、また書類選考や採用面接だけではわからない求職者の人物像や、前職での仕事ぶりを確認することで、採用側のリスクを軽減することが目的とされます。 また、採用候補者様にとっては、面接では伝えきれない普段働いている自分の姿を第三者から伝えてもらえるため、自分自身の転職成功に繋がります。言い換えると、第三者にこれまでの仕事内容や人柄を確認することで、書類や面接時の姿と実際の姿とのギャップを減らし、採用企業様と候補者様、双方のリスクを低減させるのが主な目的です。

リファレンスチェックとは違法なのか

そもそもリファレンスチェックは違法な採用手段なのか、また、どんなリファレンスチェックであれば違法なのか、合法なのか、を下記にて紹介いたします。

採用活動において守るべき法律とは

リファレンスチェックは法律上違法になるケースがあります。日本には個人情報保護法というものがあり、簡単にいうと、本人の承諾なく、その方の個人情報を本人以外に渡すことは禁じられています。そのため、候補者様本人の承諾なく、リファレンスチェックを勝手に実施された場合は個人情報保護法に抵触し、違法となる可能性がございます。 参考URL:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415AC0000000057

また、職業安定法に基づく指針では、採用活動において個人情報を収集する際は適法かつ公正な手段によらなければならないとしており、前職調査は不適切な行為と考えられています。この指針では、企業が応募者の個人情報を集める場合は、「本人から直接収集し、又は本人の同意の下で本人以外の者から収集する」手段を取るべきと定められています。 参考URL:https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shoukaihourei.html

リファレンスチェックを勝手に実施された、それは違法なのか。

上記を踏まえ、社員の在席状況や過去在籍していた社員の退職理由、勤務態度などを「本人の同意なく開示すること」は、個人情報保護法に違反します。候補者様が承諾していないのに、候補者様が自ら提出した情報以外の情報が応募企業様が知っていた場合は個人情報保護により違法となります。そのため、もし知らない企業から電話がかかってきて友人の情報を聞かれたなどの場合は本人の承諾を得ているのかどうかをしっかり確認するべきです。

合法なリファレンスチェックとは。

上記の裏返しになりますが、「本人の承諾」さえ取得すれば、リファレンスチェックは合法です。そのため、採用担当者様が候補者様の現職や前職の実績や評価などを取得したい場合は、必ず候補者様の承諾を取得することが必要です。

正しいリファレンスチェックの取得方法

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リファレンスチェックを実施するにあたり、違法にならないよう正しい取得方法を下記にて紹介いたします。採用担当者様視点でリファレンスチェック取得フローを説明します。

1. 候補者からリファレンスチェックへの承諾

面接など、採用担当者様が候補者様とコミュニケーションを取る際に、リファレンスチェックを実施するという旨を伝えます。採用候補者がリファレンスチェックという言葉自体をご存知ではない場合もあるため、リファレンスチェックとは何か、何のために実施しているのか、を丁寧にお伝えする必要があります。

2. リファレンスチェック取得方法

候補者様からリファレンスチェックに同意を取得した後、候補者様に誰からリファレンスを提供してもらうかを決めてもらう必要があります。(基本的には今まで一緒に働いたことのある同僚や上司や部下の方が対象)推薦者様が確定したら、候補者様から推薦者様の電話番号やメールアドレスなどを提供してもらいます。該当する推薦者様に採用担当者様から直接連絡し、インタビューを実施すれば、リファレンスチェックは完了です。

まとめ

法律の観点からリファレンスチェックの違法性や合法性をまとめました。リファレンスチェックを実施することで採用企業様は自社に合った人材を採用できる、候補者様は自分に合った会社に転職することができるなど非常にメリットのある採用手法です。ただ、取得方法を少し間違えてしまっただけで世間を揺るがす大問題に発展する可能性もあります。上記の観点を注意し、正しいリファレンスチェックを実施しましょう。